2026年6月の介護報酬改定で訪問看護の利用料はいくら上がる?
2026年6月から訪問看護に1.8%加算。利用料月数百円〜1500円増の見込み。事前説明と高額介護サービス費上限を確認。
目次(20項目)
結論から先に
2026年6月から介護報酬の臨時改定が行われ、訪問看護のサービスに1.8%の処遇改善加算が新設されます。利用者の自己負担は1割の場合、月数百円〜1,500円程度の増加が見込まれます(利用回数・時間により変動)。事業所は事前に利用者・家族にリーフレット等で説明する義務があり、5月までに説明資料が配布される予定です。所得に応じて高額介護サービス費の月額上限(44,400円〜)があるため、上限を超えている方は実質的な負担増がない場合があります。詳細は担当ケアマネジャーに確認してください。※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。
どんな場合に当てはまるか
訪問看護を介護保険で利用している
要支援1〜2、要介護1〜5の認定を受け、訪問看護ステーションから看護師・保健師・理学療法士の訪問を受けている方。介護保険のケアプランに「訪問看護」として組み込まれているサービスが対象です。
主な訪問看護の対象者
- 病院退院後の在宅療養(術後管理、感染症経過観察)
- 慢性疾患の管理(糖尿病インスリン管理、心不全の浮腫管理など)
- がん末期の在宅緩和ケア
- 難病・神経疾患の在宅管理
- 認知症の方の医療管理
- 看取り期の在宅医療
同時改定の他のサービス
2026年6月の臨時改定は訪問介護も対象(処遇改善加算 最大28.7%)、訪問リハビリテーション(1.5%)、居宅介護支援等(2.1%)にも加算設定があります。複数サービスを利用している方は全体の負担増を試算する必要があります。
介護保険負担割合
- 1割負担:65歳以上で住民税非課税世帯または所得が一定以下
- 2割負担:65歳以上で年収280万円以上340万円未満(単身世帯)
- 3割負担:65歳以上で年収340万円以上(単身世帯)
3割負担の方は加算による負担増も3倍になる計算です。
例外状況
影響を受けないケース
- 医療保険適用の訪問看護(がん末期、神経難病、精神疾患などで適用)
- 全額自己負担の自費訪問看護
- 加算算定をしない事業所のサービス(少数)
- 月の自己負担がすでに高額介護サービス費上限に達している方
影響が大きいケース
- 週3〜5回以上の頻回利用者
- 3割負担の高所得者
- 訪問看護のほか訪問介護・通所介護・ショートステイなど複合的に利用する方
- 24時間対応の在宅看取りなど集中的サービス利用者
費用・リスク・注意点
訪問看護の主な単位数(介護保険)
- 訪問看護ステーションからの提供
- 20分未満:313単位(3,130円)
- 30分未満:471単位(4,710円)
- 30分以上〜60分未満:823単位(8,230円)
- 60分以上〜90分未満:1,128単位(11,280円)
- 90分以上:1,128単位+追加(地域加算等あり)
- 病院・診療所からの提供(やや低い設定)
- 1.8%の加算は基本サービス単位+既存加算の合算に対して算定
月額負担の試算(1割負担・週2回30分未満利用)
- 月8回×471単位×10円×10%=3,768円
- 改定後(1.8%加算込み):3,836円程度
- 月額増加:約68円
- 週3回利用なら月額増加:約100円
月額負担の試算(1割負担・毎日30〜60分利用)
- 月30回×823単位×10円×10%=24,690円
- 改定後(1.8%加算込み):25,134円程度
- 月額増加:約444円
月額負担の試算(3割負担・毎日30〜60分利用)
- 月30回×823単位×10円×30%=74,070円
- 改定後(1.8%加算込み):75,403円程度
- 月額増加:約1,333円
高額介護サービス費(月額上限)
- 課税所得690万円以上:140,100円
- 課税所得380万円以上690万円未満:93,000円
- 一般所得者:44,400円(年44.4万円→約534万円相当の年収以下)
- 市町村民税世帯非課税:24,600円
- 老齢福祉年金受給者等:15,000円(個人)
- 生活保護受給者:15,000円
上限を超えた分は申請により後日還付されます。
加算の内訳
2026年6月改定で訪問看護に乗る加算:
- 既存の処遇改善加算(I・II・III・IV)の見直し
- 新設「処遇改善加算(I)ロ」相当の上乗せ
- 結果として基本サービス単位+既存加算に対して合計1.8%の上乗せ
事業所が利用者に説明すべき事項
- 改定により利用料が変わる旨
- 月の概算負担額の変化(既存利用ペース基準)
- 高額介護サービス費の上限と還付の仕組み
- ケアプラン変更の必要性
- 質問・苦情の連絡先
質問・苦情の窓口
- 第一窓口:訪問看護ステーション・ケアマネジャー
- 第二窓口:市町村介護保険課
- 第三窓口:都道府県国民健康保険団体連合会(国保連合会)
- その他:都道府県の介護相談員、地域包括支援センター
よくある質問
Q. 改定で利用料が上がるなら、サービス回数を減らした方がよいですか?
医療上・看護上必要なサービスを安易に減らすべきではありません。必要なサービスが減ると体調悪化や入院リスクが上がり、結果として医療費・介護費がかえって増える可能性があります。負担の増加が大きい場合は、高額介護サービス費の上限該当チェック、所得区分の見直し、生活保護・福祉貸付の検討など、別の方法で対応します。
Q. 民間の介護保険・医療保険から給付は出ますか?
民間の介護保険・医療保険は契約内容によります。要介護度や入院日数で給付金が出る契約はそのまま継続。今回の公的介護報酬改定とは別の制度です。給付内容は保険証券で確認してください。
Q. 来月(6月分)から急に上がるのですか?2か月後の請求でしょうか?
サービスの利用月(2026年6月分)の請求書から新料金になります。多くの事業所では翌月末日までに請求書を発行するため、2026年7月末〜8月中旬に手元に届く請求書から金額変動が反映されます。
Q. 訪問看護以外のサービスもまとめて見直すべきですか?
ケアプランは原則3〜6か月に1回ケアマネジャーが見直しますが、報酬改定のタイミングで現在のサービス内容と必要性を再確認するのは良い機会です。本人の状態変化、家族の介護負担、利用料の予算配分など総合的に話し合ってください。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」— 改定内容の公式説明
- 厚生労働省「介護保険サービス情報公表システム」— 事業所検索と詳細情報
- 厚生労働省「高額介護サービス費」— 上限と還付の仕組み
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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