確定申告を出したあとで間違いに気づいたら。期限内なら出し直し、期限後は税額が増えるか減るかで修正申告と更正の請求に分かれる

この記事の要点

申告期限までに気づいたら、正しい確定申告書を作って期限内に出し直します。最後に出したものが申告書になります。期限後に気づき、税金を多く申告していたなら更正の請求(原則、法定申告期限から5年以内)、少なく申告していたなら修正申告をします。修正申告は税務署の調査の事前通知より前に自分で出せば過少申告加算税はかかりませんが、延滞税はかかります。

  1. 申告期限内なら、正しい確定申告書を作り直して期限までに出す。期限内に2回以上出したときは、特段の申出がない限り最後に出したものが本人の申告書として扱われる
  2. e-Taxで出した人も、期限内なら訂正後のデータを作って送り直す。訂正した部分だけでなく、すべての帳票を送る。税務署への連絡は要らない
  3. 期限後に、税金を多く申告していた・還付が少なかったと分かったら更正の請求。原則として法定申告期限から5年以内で、確定申告の義務がない人の還付申告は提出した日から5年以内
どうする?編集部 · · 読了 約7分
目次(13項目)
  1. 申告期限内なら、作り直して出し直す
  2. e-Taxで出した人
  3. すでに還付金を受け取っているとき
  4. 期限後に気づいた:税金を多く申告していたら更正の請求
  5. 出せる期間
  6. 税額が変わらなければ出せない
  7. 添付する書類
  8. 期限後に気づいた:税金を少なく申告していたら修正申告
  9. 過少申告加算税
  10. 延滞税
  11. 期限後の書類の作り方
  12. この記事で確認できなかったこと
  13. 参考資料

確定申告書を出したあとで、控除の入れ忘れや計算の誤りに気づいたときの直し方は、気づいた日が申告期限の前か後かで分かれます。

申告期限(原則として翌年3月15日)までに気づいたら、正しい確定申告書を作り直し、期限までに出し直します。国税庁は、期限内に同じ人から2通以上の確定申告書が出された場合、期限内に特段の申出がない限り最後に出されたものをその人の申告書として扱うとしています。

期限を過ぎてから気づいた場合は、税金が増えるか減るかで手続きが変わります。税金を多く申告していた(還付が少なかった)なら「更正の請求」、少なく申告していた(還付が多かった)なら「修正申告」です。どちらも国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作れます。

申告期限内なら、作り直して出し直す

タックスアンサーNo.2026のQ&Aには、2月16日に確定申告書を出し、翌日に控えを見直したら計算誤りがあって納める税額が増えると分かった、という例が載っています。答えは、法定申告期限までなら、正しく計算した新しい確定申告書を出せる、というものです。根拠として、期限内に2通以上出された場合は最後に出されたものを本人の申告書として扱う、という取扱いが示されています。

「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」でも、期限内に誤りに気づいた場合は改めて申告書等を作って期限までに出すよう案内しています。この場合、「納める税金」や「還付される税金」は、出し直した申告書に書いた金額になります。

申告期限は、タックスアンサーNo.2020では原則として翌年3月15日です。年によってずれることがあり、令和7年分の所得税の法定納期限は、お問合せ事項Q&Aで令和8年3月16日(月)とされています。その年の期限は国税庁の案内で確かめてください。

e-Taxで出した人

e-Taxのよくある質問は、申告期限内であれば訂正後の申告データを作って送信するよう案内しています。送り直すときの注意は次の三つです。

  • 訂正した部分だけでなく、すべての帳票を送る
  • 訂正したデータを送ったことを税務署に連絡する必要はない
  • 追加で出す添付書類があれば、送付書と一緒に出す。追加がなければ、添付書類の送付書をもう一度出す必要はない

書面で訂正して申告し直すこともできます。確定申告書等作成コーナーで送った人向けのよくある質問も、期限内なら誤りを訂正したうえで確定申告書を作り直し、期限までに送り直すよう書いています。提出先の税務署を間違えて送った場合は、受信通知にエラーメッセージがなければ、税務署の間でデータを移すので送り直す必要はないとされています。

すでに還付金を受け取っているとき

出し直しには例外があります。Q&Aは、先に出した申告書が還付申告で、すでに還付の処理が行われている場合には、この取扱いができないことがあるとして、直接税務署に相談するよう求めています。

お問合せ事項Q&Aも、最初の申告の還付金がすでに支払われていて、出し直した申告書の還付額が減るときや、出し直した申告書で納める税金が出るときは、還付済みの税金との精算(納付)の手続きが必要だとしています。また、出し直した場合は還付金の支払いまでに通常より時間がかかることがあるとしています。

還付申告をした人で、出し直すと還付が減る場合は、出す前に所轄の税務署に相談してください。

期限後に気づいた:税金を多く申告していたら更正の請求

申告期限を過ぎてから、納める税金が多すぎた、還付される税金が少なすぎたと分かったときは、更正の請求をします。更正の請求書を税務署長に出すと、税務署が内容を調べ、納めすぎた税金があると認めれば減額更正をして還付します。減額更正の内容は請求した人に通知されます。

出せる期間

更正の請求の手続案内によると、出せる期間は次のとおりです。

  • 原則として、法定申告期限から5年以内
  • 確定申告をする必要がない人が還付を受けるための申告(還付申告)をしている場合は、その申告書を出した日から5年以内

タックスアンサーNo.2030も、すでに還付申告をした人が還付を受けるべき税金を少なく申告していた場合は更正の請求で還付を受けられ、期間は原則として還付申告書を出した日から5年以内としています。

判決などで申告の前提にした事実が変わった場合(後発的理由)は、その事実が生じた日の翌日から2か月以内という別の期限があります。

税額が変わらなければ出せない

タックスアンサーNo.2026は、所得金額の増減や所得控除の追加があっても、最終的な税額や純損失の金額が変わらない場合は、更正の請求はできないとしています。たとえば、もともと所得税が0円の人が控除を足しても、それだけでは更正の請求の対象になりません。

添付する書類

手続案内は、請求の理由の基礎となる事実を証明する書類を添付するよう求めています。例として、国民年金保険料の記載漏れで社会保険料控除が少なかった場合は、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書など、支払った金額を証明する書類を付けるとしています。e-Taxで出す場合は、本人確認書類の提示や添付は要りません。

期限後に気づいた:税金を少なく申告していたら修正申告

納める税金が少なすぎた、還付される税金が多すぎたと分かったときは、修正申告で直します。お問合せ事項Q&Aは、修正申告は税務署から更正を受けるまではいつでもできるが、なるべく早く申告するよう求めています。令和4年分以降の所得税の修正申告では、申告書第一表と第二表を出します。

修正申告で新たに納める税金は、修正申告書を出す日が納期限です。その日に納めます。

過少申告加算税

タックスアンサーNo.2026によると、修正申告をした時期によって過少申告加算税のかかり方が違います。

修正申告をした時期過少申告加算税
税務署からの調査の事前通知の前に、自主的にかからない
事前通知の後(調査による更正を予知する前)新たに納める税金の5%。当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%
調査を受けた後、または税務署から更正を受けた場合新たに納める税金の10%。当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%

令和5年分以降は、調査で帳簿を見せなかった場合などに加算される定めもあります。最初の確定申告が期限後申告だった場合は、無申告加算税がかかることがあります。

延滞税

修正申告で納める税金には、延滞税もかかります。タックスアンサーNo.9205によると、延滞税は、修正申告書を出して納める税額があるときなどに、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じてかかります。加算税にはかかりません。

ただし、No.9205には「延滞税の計算期間の特例」があります。偽りその他不正の行為で税を免れた場合などを除き、期限内に確定申告書を出していて、法定申告期限から1年を過ぎてから修正申告をした場合などは、一定の期間を延滞税の計算期間に含めません。期限後申告をしていた場合は、その申告書を出してから1年を過ぎてからの修正申告が対象です。どの期間が除かれるかはNo.9205に書かれていないので、同ページから案内されている「延滞税の計算方法」か税務署で確かめてください。

割合は年ごとに変わります。令和8年中は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以後が年9.1%です。間違いに気づいたら早く出して納めるほど、延滞税の日数は短くなります。

期限後の書類の作り方

更正の請求書と修正申告書は、確定申告書等作成コーナーの「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で、画面の案内に従って金額を入れると作れます。作ったデータは、e-Taxで送るか、印刷して税務署に郵送などで出せます。提出先は納税地の所轄税務署です。

令和4年12月31日以後に課税期間が終わる所得税(令和4年分以降)の更正の請求書と修正申告書では、更正前・修正前の課税標準等を書く必要はなくなりました。

確定申告そのものを期限までに出していなかった場合は、ここで書いた手続きではなく期限後申告になります。タックスアンサーNo.2024によると、期限後申告でも、法定申告期限から1か月以内に自主的に出していて、納める税金の全額を法定納期限までに納めているなど一定の要件を満たせば、無申告加算税はかかりません。

この記事で確認できなかったこと

2026年10月28日時点で、次の点は今回読んだ資料では確かめられていません。

  • 確定申告の義務がない人が還付申告を出し直す場合に、どの日までなら「期限内の出し直し」として扱われるか。今回の資料は、法定申告期限内に2通以上出した場合の扱いとして書かれていました。
  • 期限内に出し直したり、更正の請求・修正申告をしたりした場合に、住民税の側でどう直るか。
  • e-Taxで納付の日付を指定していた場合に、出し直しの前に何をすればよいか。

参考資料

Photo by Arturo Añez on Unsplash
#確定申告 #修正申告 #更正の請求 #e-Tax #延滞税

参考資料

  1. 国税庁 タックスアンサーNo.2026 確定申告を間違えたとき
  2. 国税庁 タックスアンサーNo.2026 Q&A 提出した確定申告書の間違いを法定申告期限の前に発見した場合
  3. 国税庁 確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【申告が間違っていた場合】
  4. 国税庁 A1-2、H1-1 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続
  5. 国税庁 タックスアンサーNo.2030 還付申告
  6. 国税庁 タックスアンサーNo.2020 確定申告
  7. 国税庁 タックスアンサーNo.2024 確定申告を忘れたとき
  8. 国税庁 タックスアンサーNo.9205 延滞税について
  9. e-Tax 作成コーナーで送信した申告書等の内容に誤りがあったため修正したい
  10. e-Tax よくある質問 当初、提出した申告データに誤りがあり、訂正したいのですがどうすればいいですか。

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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