今年の狂犬病予防注射がまだなら、次の春を待たず、動物病院に接種を相談してください。 春の集合注射に行けなかった場合も、動物病院での個別接種という経路があります。犬の体調を獣医師に伝え、接種後は「注射済票」の交付まで済んだかを確認しましょう。電話や注射だけで、すべての手続きが終わるわけではありません。
今日、まず接種状況を確認して相談する
首輪の札が去年のものでも、今年の注射を受けた後に札の交付を受けていない可能性があります。反対に、鑑札が付いていても、それだけでは今年の接種済みとは分かりません。注射済証の接種日と、手元の注射済票の年度を別々に確認してください。 記録が見当たらないときは、かかりつけの動物病院に今年の接種を確認するところから始めます。
未接種と分かったら、病院には「今年の狂犬病予防注射を受けていません。今から受けたいです」と伝えてください。体調に不安がある場合は、その相談も一緒にします。予約の要否、受診できる日時、持ち物、注射料金と診察料などの費用を聞いておきましょう。案内はがきがない場合や接種歴が分からない場合も、その旨を先に伝えてください。
接種先は、動物病院での個別接種と、市区町村が実施する集合注射から選べます。ただし、集合注射を実施していない自治体もあり、日程は限られます。自分の市区町村の公式案内で、これから利用できる会場があるかを確認し、日程が合わなければ病院へ受診の相談をします。病院の受付時間外なら、診療日・予約方法を確認して連絡できる予定を決めておきます。
春の期間を過ぎた未接種も、今から相談を
生後91日以上の犬には、毎年1回の狂犬病予防注射が必要です。2026年10月14日時点の施行規則では、接種時期は原則4月1日から6月30日までです。ただし、3月2日以降にすでに接種した犬などには例外があります。譲り受けた犬の期限も、後の節で分けて説明します。
期間を過ぎたからといって、未接種のまま翌春まで待つ案内ではありません。例えば、東京都北区の2026年10月1日更新の案内も、期間外の未接種について速やかな接種を求めています。ただし、病院に出向けばその日に必ず接種できるわけではありません。犬の状態や病院の受付を確認してから受診してください。
紙の「注射済証」と犬に着ける「注射済票」は別です
獣医師が接種後に交付する証明書が注射済証、市区町村が交付する犬に着ける札が注射済票です。施行規則12条は、注射済証を提示して注射済票の交付を受ける手続きを定めています。紙を保管するだけで、犬に注射済票を着ける代わりにはなりません。
ただし、毎回必ず役所へ行くとは限りません。横浜市は、委託を受けた動物病院で接種と注射済票の交付手続きが同時にできると案内しています。一方、東京都北区の令和8年度案内では、加盟病院での注射済票の交付は4月1日から6月30日までで、期間外はその病院で交付できません。自分の犬の所在地の市区町村に対応した交付か、今も利用できるかを確認する必要があります。
接種する病院で、次のように聞いてください。
- 「こちらで、犬の所在地の市区町村の注射済票も受け取れますか」
- 「受け取れる札は今年度の注射済票ですか。別に役所への申請は必要ですか」
- 「こちらでは札を受け取れない場合、どの証明書をもらえますか」
紙だけを受け取った場合は、市区町村の公式サイトの「狂犬病予防注射」「注射済票」の案内から、交付窓口を調べます。注射済証のほかに必要なもの、手数料、支払い方法、受付時間、郵送などが利用できるかを問い合わせてください。窓口に行く前に持ち物を確かめ、必要な書類をそろえてから出向きましょう。
札は文字と年度を見て、分からなければ発行元に確認
登録の鑑札には「犬鑑札」と登録番号、注射済票には「注射済」と注射実施年度などが記載されます。2026年度は令和8年度です。自治体が定めるデザインもあるので、形や金属かどうかだけで判別しないでください。
年度が読めない、何の札か分からない場合は、病院または市区町村に現物を示して確認しましょう。見た目が似ていることだけで、注射済票の交付まで済んだとは判断しないでください。交付を受けた注射済票は犬の首輪や胴輪などに着け、注射済証も保管しておきます。
体調が悪い、以前に副反応があったとき
年齢や持病だけで、このページから接種の可否を決めることはできません。相談の際には、現在の症状、治療中の病気や薬、過去の接種後の異変、ほかのワクチンの接種日を獣医師に伝えます。遅れているからと、体調の相談を省いて接種に進まないようにしましょう。
獣医師が接種を見送ると判断したら、理由と、次に相談する時期を確認します。そのうえで市区町村に「獣医師から接種を見送ると言われました。必要な書面や届出はありますか」と問い合わせてください。
例えば、横浜市港北区は、病気などで獣医師に接種できないと診断された場合、狂犬病予防注射猶予証明書を窓口へ持参するよう案内しています。これは港北区の手続きです。お住まいの自治体も同じ書面・提出方法とは決めず、必要なものを問い合わせ、病院には発行の可否と受け取れる時期を尋ねます。書面がその場で必ず出る、以後ずっと接種しなくてよい、とは判断しないでください。
接種後の異変も、軽い症状だけとは限りません
厚生労働省は、一過性の痛み、元気・食欲の低下、下痢や嘔吐などが起こることがあると説明しています。また、過敏体質の場合、まれに顔の腫れなどのアレルギー反応や、ショック・呼吸困難などを伴うアナフィラキシー反応も報告されています。
接種後の過ごし方は獣医師に確認し、普段より注意して犬の様子を見てください。顔の腫れ、呼吸困難、ぐったりするなどの異変があれば、速やかに動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従ってください。 江東区の案内も、アレルギー反応・アナフィラキシー反応が認められた場合の連絡と受診を求めています。症状を自分で軽い副反応と決めて、役所への手続きや様子見を優先しないでください。
譲り受けた犬は、接種歴と迎えた日も伝える
譲渡や保護で迎えた犬については、登録情報と注射済証を引き継げるか、前の飼い主などに尋ねましょう。接種したか分からない場合は、不明なまま春まで待つのではなく、迎えた日と犬の年齢を市区町村・獣医師に伝えます。
2026年10月14日時点の施行規則11条2項では、生後91日以上で、3月2日以降に接種していない犬、または接種したか不明な犬を新たに所有した場合、所有するに至った日から30日以内の接種が必要です。1月1日から5月31日の間に所有するに至った場合、接種歴を確認する基準日は前年の3月2日になります。
この対象の犬を3月2日から6月30日の間に迎えた場合は、同条1項の春の接種期間の対象から除かれ、迎えた日から30日以内の規定で扱われます。譲り受けた犬なら無条件で毎年の春の期間を見なくてよい、ということではありません。接種済みの記録がある犬を、記録を確かめずにもう一度接種させるのも避け、獣医師に接種日を伝えて受診の相談をしましょう。
犬の登録・引っ越し・マイクロチップも確認する
犬の登録と、毎年の狂犬病予防注射は別の手続きです。違いを確認しておきましょう。
| 確認すること | 犬の登録 | 狂犬病予防注射 |
|---|---|---|
| 回数 | 基本的に生涯1回 | 毎年1回 |
| 証明するもの | 鑑札 特例適用なら マイクロチップ | 注射済票 紙の注射済証とは別 |
| 接種する場所 | 登録とは別の手続き | 動物病院 または自治体の集合注射 |
| 手続きの確認先 | 犬の所在地の 市区町村 | 獣医師(接種) 市区町村(札の交付) 病院での交付は条件確認 |
登録が済んでいない犬は、市区町村の窓口へ連絡します。法律上、登録の申請は犬を取得した日から30日以内です。生後90日以内の犬を取得した場合は、生後90日を経過した日から30日以内になります。すでに登録された犬は新規登録の対象ではありませんが、所有者などの変更届は別に必要です。
引っ越しや飼い主の変更は30日以内
登録した犬の所在地が変わったときは、変更から30日以内に、新しい所在地の市区町村へ届け出ます。所有者の氏名・住所が変わった場合や犬が亡くなった場合も30日以内、飼い主が変わった場合は新しい所有者が30日以内に届け出ます。
別の市区町村へ移る通常の鑑札の手続きでは、旧所在地の鑑札と引き換えて新しい鑑札が交付されます。旧鑑札や登録情報を用意し、転入先に必要なものを尋ねます。死亡届には原則として鑑札と注射済票を添付しますが、正当な理由がある場合の例外も規定されています。札が見つからなくても届出をそのままにせず、事情を窓口に伝えましょう。
マイクロチップを入れただけでは完了しません
狂犬病予防法の特例が適用されると、マイクロチップが鑑札とみなされます。ただし、装着だけではなく、環境大臣への情報登録、特例に参加する市区町村への通知、その市区町村の必要な手続きを経ることが前提です。参加していない市区町村では、別に犬の登録などの手続きが必要です。
引っ越しや譲渡の際も、マイクロチップの情報と自治体の登録状態に変更がないか確かめましょう。特例が適用されても、毎年の予防注射と注射済票の交付・装着は別に必要です。 鑑札としての扱いが確認できた場合、従来の鑑札をどうするかは市区町村に尋ねてください。
接種後は、注射済票を着けるところまで確認
接種後は、次の点を確かめてください。
- 注射済証の接種日と犬の情報を確認し、保管する。
- 病院または集合注射の会場で、注射済票の交付まで済んだか、別の申請が必要かを確認する。
- まだ交付を受けていなければ、市区町村の案内に従って申請する。書類不足なら何を用意し直すかを窓口に聞く。
- 交付された注射済票の年度を確認し、犬に着ける。通常の鑑札も着け、マイクロチップの特例が適用される犬はその登録状態を確認する。
接種を見送った場合は、獣医師の判断に沿って、市区町村への届出の要否と次の相談予定を確認しましょう。未接種なのに注射済票の交付を受けた扱いにはしません。
札をなくしたときは、再交付を相談する
接種済みで注射済票をなくした・壊した場合は、市区町村に再交付を申請します。施行規則13条では、紛失・損傷の事情を記し、注射済証を提示し、破損ならその札も添える手続きです。同条に「30日以内」という期限はありませんが、札を着ける義務があるので、放置せず窓口へ連絡しましょう。注射済証もない場合は、接種した病院と市区町村に確認します。
鑑札の紛失・破損は、原則30日以内の再交付申請で、正当な理由がある場合の例外があります。注射済票と期限をひとまとめにしないでください。受付方法・必要書類・手数料は、市区町村の現在の案内を確認します。
今年の接種状況が分からなければ記録を確認し、未接種なら獣医師に相談する。接種後は注射済票の交付・装着まで確かめる。この順に進めて、春の会場に行けなかったままにしないようにしましょう。