去年の灯油は使わない。ストーブの芯が固着する理由と、引き取り先の探し方

この記事の要点

去年の灯油は見た目や保管場所で使えると判断せず、新しい灯油を使います。残った灯油は機器の取扱説明書に沿って扱い、自治体の廃油案内と購入店に処分先を確認してください。新潟市は、購入店で断られた場合のフルサービスのガソリンスタンドへの相談も案内していますが、引き取りは店ごとに違います。下水・側溝・地面へ流して処分しません。

  1. 昨シーズンから持ち越した灯油は使わない。透明で異臭がなく、暗所で保管していても使用の根拠にはしない
  2. 変質灯油は不完全燃焼・異常燃焼や故障のおそれ。しん式ストーブでは芯が下がらず消火できなくなることもある
  3. 自治体の廃油案内と購入店に確認。新潟市の相談先は購入店、断られたらフルサービスのガソリンスタンド。受入れ・費用は店ごとに違う
どうする?編集部 · · 初出 · 読了 約7分
目次(9項目)
  1. 持ち越した灯油は、透明でも使わない
  2. しん式ストーブでは、芯が下がらず消火できなくなることがある
  3. 処分先は、自治体の廃油案内と購入店に確認する
  4. 新潟市の案内では、購入店で断られたらフルサービスの店舗に相談する
  5. 下水・側溝・地面に流さない。流出したら連絡する
  6. 空のポリタンクも、地域の分別条件を確かめる
  7. 今シーズンの保管でも、日光と容器の傷みに注意する
  8. この記事で扱わないこと
  9. 参考資料

去年の灯油は使わず、今シーズン購入した新しい灯油を使ってください。 透明でにおいに違和感がなくても、また暗所で保管していたとしても、昨シーズンの灯油を使ってよいとは判断しません。

残った分は、住所地の自治体の廃油案内を確かめ、購入店に引き取りを相談します。店へ持ち込む前に、受入れ・費用・日時・容器の扱いを聞いてください。どのガソリンスタンドでも引き取る、自治体が全国一律に回収する・しない、と決めつけません。下水・側溝・地面へ流して処分しないでください。

持ち越した灯油は、透明でも使わない

日本ガス石油機器工業会は、持ち越した灯油などの変質灯油と、水やごみなどが混じった不純灯油を不良灯油とし、使用を禁止しています。消費者庁も、石油ストーブ・石油ファンヒーターのシーズン初めの点検で、燃料は新しい灯油を使い、昨シーズンの灯油は使わないよう案内しています。

状態・来歴公式案内で示される特徴・条件判断
昨シーズンから残った灯油工業会は「持ち越した灯油など」を不良灯油の対象にしています使わない。少量でも新しい灯油に混ぜて使わない
高温・日光・水用容器・開いた蓋で保管した灯油工業会は変質灯油の例として掲載。色が付かない場合もあります使わない。色やにおいだけで使用可としない
水・ごみ・他の油などが混ざった灯油工業会は不純灯油とし、水抜剤や助燃剤を加えた灯油も含めています使わない。添加剤で直そうとしない

工業会は正常灯油の特徴として透明、不純物がない、灯油のにおいがすることも挙げています。ただし、NITEは色が付いていない変質灯油もあり、判別が難しいと説明しています。正常灯油の見た目の説明を、去年の灯油の使用許可には使えません。においを確かめるために顔を近づけたり、少し燃やして試したりする必要もありません。

しん式ストーブでは、芯が下がらず消火できなくなることがある

NITEは、灯油への紫外線照射で成分が変質し、ガム状の物質ができると説明しています。しん式ストーブで変質灯油を使うと、芯の先端付近に付着して膨らみ、芯が下がらず消火できなくなることがあります。転倒した際も、消火装置が作動した後に燃焼が続く危険が示されています。

工業会が挙げるトラブルには、点火しにくい、燃焼筒の赤熱が悪い・火が消える、燃焼中のにおいがきつく目にしみる、消火できないといったものがあります。不完全燃焼・異常燃焼や故障のおそれもあり、「古い灯油は急に燃え上がらず、消火だけが問題」とは言えません。 芯の固着の説明はしん式ストーブに関するもので、すべての石油暖房機が同じ仕組みではありません。

すでに古い灯油を入れた場合や燃え方・におい・消火操作に異常がある場合は、使用を中止し、取扱説明書と販売店・メーカーに確認してください。新しい灯油へ替えれば、傷んだ芯や機器も必ず直るとは判断しません。 燃焼中の給油・燃料の抜き取り、自己判断での分解や試運転はしないでください。消火できない、火災が起きたなど緊急の場合は、安全な場所から119番へ通報してください。

処分先は、自治体の廃油案内と購入店に確認する

さいたま市は、灯油を家庭ごみとして出さず、購入した販売店、灯油を回収・処理する専門業者、ガソリンスタンドに相談するよう案内しています。これはさいたま市の案内です。廃油の収集・処分先は、住所地の自治体の公式サイトで「灯油」「廃油」「収集できないもの」を探すか、廃棄物担当に尋ねてください。

紙に染み込ませれば全国どこでも燃えるごみになる、という処分はしません。 灯油そのものと、事故で灯油を吸い取った布・紙・マットのどちらについて相談しているかを伝えてください。自治体に確認するのは、その地域での受入先と出し方です。別の自治体の案内を、お住まいの地域の回収ルールにそのまま当てはめないでください。

購入店で断られ、自治体の案内でも行き先が分からない場合は、廃棄物担当に「家庭で残った灯油が○Lあり、購入店では受け取れないと言われた」と伝えて相談先を聞きます。処分先が決まる前に、知らない店へ容器を持ち込んだり、置いて帰ったりしないでください。

新潟市の案内では、購入店で断られたらフルサービスの店舗に相談する

新潟市役所コールセンターは、古い灯油や余った灯油について、購入店に引き取りを頼み、断られた場合はガソリンスタンドに依頼するよう案内しています。同じ系列でも引き取る店と引き取らない店があり、フルサービス(車検等を行っている)の店舗へ相談するとしています。

これは相談先の案内で、受入れの保証ではありません。費用は店によって有償または無償とされ、共通の金額は書かれていません。他の地域の必須の手順ではなく、セルフの店で一律に断られるとも、この案内からは言えません。

電話では、次を確認すると持ち込み条件が分かります。

  • 家庭で昨シーズンから残った灯油を引き取るか。おおよその量と、水・他の油の混入が分かる場合はその状態。
  • 有料か無料か。有料なら料金と支払方法。
  • 持ち込める日時。ポリタンクごとの受入れか、中身だけの受入れか。
  • 持ち込みに使う容器・運搬方法の指定があるか。

伝え方は「家庭用の石油ストーブで使い残した灯油が約○Lあります。引き取りは可能ですか。費用と、容器・持込日時の条件も教えてください」で足ります。その場で回答できるかまでは保証できないので、確認が済んでから運びます。

灯油の運搬・保管には適合する専用容器を使い、蓋を確実に閉めます。横浜市消防局は、法令の基準に適合する容器と、専用容器へのガソリン混入禁止を案内しています。ひび割れ・漏れがある容器をそのまま車へ積まず、受入先に安全な引き渡し方法を確認してください。

下水・側溝・地面に流さない。流出したら連絡する

東京都下水道局は、灯油を下水道へ流さないよう求め、爆発などの重大な事故のおそれを示しています。誤って流した、または流されているのを見た場合は、警察・消防・地域の下水道担当へ連絡する案内です。北見市は、油が土に浸透すると土壌・地下水の汚染が広がる危険も説明しています。

流出した灯油を水や洗剤で排水口・側溝へ流したり、土に染み込ませて処分したりしないでください。北見市は油流出事故を発見したら、拡大防止とともに消防(119番)などへの連絡を求めています。場所、おおよその量、漏れが続いているか、排水口・側溝・土へ入ったかを伝えてください。

長野市は流出時に速やかに消防・環境担当へ通報し、古布・新聞紙・油吸着マットなどで可能な限り拭き取るよう案内しています。危険な場所に入って回収することは勧めません。吸い取った物の保管・処分は自治体の担当に確認し、一律に可燃ごみとしないでください。

流出に伴って原状回復費用等の負担を求められることもあると、長野市は説明しています。ただし、個別の費用や法的責任、罰則の適用は事故の状況によります。ここで一律の金額・刑罰を示したり、地面への流出と下水への流出を同じ法条で処理したりはしません。

空のポリタンクも、地域の分別条件を確かめる

容器ごと受け取ってもらえるかは、引き取り先に確認します。容器だけを出す場合は、中の灯油を受入先の指示に沿って処理してから、住所地の分別案内を見てください。古い灯油をストーブで燃やして空にする、排水口へ流して空にするという手順ではありません。

横浜市の案内は、灯油を使いきった容器で、最長辺が50cm未満なら週1回のプラスチック資源、50cm以上なら粗大ごみです。事業所から出る物は家庭ごみの集積場所に出せないとも記しています。この寸法・分類・収集頻度を、他の自治体のルールにはしません。残油や汚れがあり空の容器として扱えるか分からなければ、自治体に状態を伝えて確認してください。

今シーズンの保管でも、日光と容器の傷みに注意する

NITEは、現在使用中の灯油を今シーズン中に使い切るよう求めています。灯油専用のポリタンクを使い、蓋をしっかり閉め、暗所で保管してください。工業会も火気・雨水・ごみ・高温・日光を避け、色付きの灯油用ポリタンクを使い、乳白色の水用容器は使わず、灯油は屋内で保管するよう案内しています。避難の支障となる玄関・階段・廊下などにも置きません。

色あせ・ひび割れがある容器は交換を考えます。NITE掲載の注記では、日本ポリエチレンブロー製品工業会が製造後5年を経過したポリタンクの取り替えを推奨しています。5年は容器についての推奨で、灯油の5年間保存を認める推奨ではありません。

機器を片づける際の残油の扱い・手入れは、使用機種の取扱説明書を読んでください。タンクや油受皿の抜き取り方を、機種を問わず同じ手順では示していません。分からない場合は型番を伝えて販売店・メーカーへ確認します。

この記事で扱わないこと

  • 屋外ホームタンクの設置・届出・水抜き・燃料の状態判定。機器・設備の説明書を読み、設置・給油業者や管轄消防署へ相談してください。常時補充していることを、古い灯油が使える例外とはしていません。
  • 事業所から出る廃油の処理。家庭向けの相談先・分別例を事業系廃油にそのまま使いません。
  • 引き取り料金の全国相場や、特定店舗の受入れ保証。実際の店に確認が必要です。

参考資料

#灯油 #暖房 #石油ストーブ #処分

参考資料

  1. NITE「灯油の保管と石油ストーブのしまい方について(事故防止)」
  2. NITE 石油ストーブ「10.変質灯油で異常燃焼のおそれ」
  3. 日本ガス石油機器工業会「不良灯油の使用禁止」
  4. 消費者庁「シーズン初めの石油ストーブ安全大作戦」
  5. 新潟市役所コールセンター「古い灯油の処理方法について」
  6. さいたま市「灯油・農薬を処分したい。」
  7. 横浜市「灯油を入れていたポリタンクの出し方」
  8. 横浜市消防局「灯油の適正な使用・保管について」
  9. 東京都下水道局「ガソリンや灯油の排水の是非」
  10. 長野市「灯油流出事故を未然に防止しましょう」
  11. 北見市「油流出事故防止」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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