国民健康保険料の通知書、去年より1〜2万円高いのはなぜ?7月に届いた紙で確認する順番

結論

通知書は「賦課額」欄と「所得金額」欄の2か所を先に見て、去年の通知書と並べて比較すると原因が絞りやすい。世帯所得が下がっているのに保険料が上がる場合は、均等割の軽減判定が外れている可能性を先に確認するのが早いです。

どうする?編集部 · · 読了 約5分
目次(6項目)
  1. 通知書を開いて先に見る2つの欄
  2. 「去年より高い」に当てはまりやすいパターン
  3. 世帯所得で決まる7割・5割・2割の均等割軽減
  4. 失業・廃業・所得が急に減ったときの減免
  5. 一括で払えないときの分納相談と口座振替
  6. 参考資料

7月に入って郵便受けに「国民健康保険料額決定通知書」という厚めの封筒が入っていた、開けてみたら去年より1〜2万円上がっていた、というご相談が今の時期に増えます。フリーランス、退職直後、扶養から外れて国保に切り替わったばかりの方から特に多いです。通知書の書式は自治体ごとに違うものの、先に見るべき欄は共通して2か所しかありません。まずそこから見ていくと、金額差の原因は8割方が絞り込めます。

通知書を開いて先に見る2つの欄

自治体の書式は違っても、必ず載っているのは賦課額の合計欄と、その根拠になる所得金額の欄です。この2か所を去年の通知書と並べて比較すると、金額差の原因が見えてきます。

賦課額は医療分と後期高齢者支援分、40歳〜64歳の被保険者がいる世帯であれば介護分を加えた3階建て構造で計算されています。65歳以降は介護保険料が年金天引きの別枠に切り替わるため、通知書からは介護分の欄が消えます。3階の内訳を並べて見ると、どの階が上がったかで原因の当たりがつけやすい。

所得金額の欄では、世帯全員分の前年1〜12月の所得が合算されます。本人だけでなく、同一世帯の家族—配偶者、子ども、親—の所得も含まれる仕組みです。子どもがアルバイトを増やした、配偶者が復職して給与所得が加わったといった変化があると、翌年の国保料に反映されます。

去年の通知書がすぐに見つからないときは、賦課額の合計と所得金額の合計だけメモして市区町村の国保課に電話すると、担当者が計算根拠を口頭で読み上げてくれる自治体もあります。窓口に出向く前に、電話で済ませられるかを聞いておくと二度手間になりません。

「去年より高い」に当てはまりやすいパターン

前年より金額が上がった通知書を並べていくと、原因はだいたい次のどこかに集約されます。

  • 前年の所得が上がった。副業やフリーランスの収入増、退職金の一部が総所得に算入された場合など
  • 世帯員の所得が加算された。配偶者の復職、子どものアルバイト、親と同居開始で起こりやすい
  • 均等割の軽減判定が外れた。7割→5割、5割→2割、あるいは軽減なしに変わる
  • 40歳の誕生月から介護分が加わった
  • 前年途中で会社員から国保に切り替わり、給与所得の丸1年分が反映された
  • 賦課限度額に届いていた世帯が令和8年度の改定で少し上がった

通知書だけでは判断が難しいのが軽減判定の変動です。均等割の欄に「7割軽減」「5割軽減」「2割軽減」の印字があるか、まず確認してください。去年あった軽減表示が今年なくなっているなら、判定基準を数万円だけ超えた可能性が高い。修正申告や扶養控除の見直しで判定が動くことは少ないため、翌年の所得計画で対応する話になります。

世帯所得で決まる7割・5割・2割の均等割軽減

均等割の軽減は市区町村が自動で判定します。令和8年度の基準は概ね次の水準で、自治体によって数千円単位の幅があります。

  • 7割軽減:世帯の総所得金額等が43万円+10万円×(給与所得者等の数−1)以下
  • 5割軽減:43万円+30.5万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数−1)以下
  • 2割軽減:43万円+56万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数−1)以下

「被保険者数」には世帯主も含まれ、「給与所得者等の数」には給与収入55万円超または年金収入60万円超の人が入ります。式で正確に判定するのは疲れるので、実務としては通知書の均等割欄に軽減表示が出ているかを見るだけで足ります。

表示がなく気になる場合は、市区町村の国保課に世帯所得と被保険者数を伝えて「うちが軽減対象になるか」と電話で聞けば、その場で判定を教えてくれます。なお、判定に使うのは前年所得のため、住民税の申告や確定申告を出していないと自動判定されない自治体があります。所得がゼロでも住民税申告を提出しておくと、7割軽減の適用漏れを防げます。

失業・廃業・所得が急に減ったときの減免

前年所得ベースなので、今年に入って収入が急減しても通常の判定では今年の保険料は変わりません。ただし、次の条件に当てはまるときは減免申請ができる自治体があります。

  • 会社都合退職(倒産や解雇による非自発的失業)は、前年給与所得を30/100として計算する軽減が2年間受けられる
  • 事業廃業や売上急減、災害被害などで所得が前年比3割以上減少した場合
  • 傷病で就業できない状態が続いている場合
  • 生活保護に準ずる困窮状態

会社都合退職の軽減は、雇用保険受給資格者証の離職理由コードで判定されます。11・12・21〜23・31〜34のいずれかに該当する方が対象で、受給資格者証を持って市区町村の国保課に申請します。自動では適用されないので、退職後の事務手続きに含めておいたほうがいい。

自営業やフリーランスの所得減による減免は、自治体ごとに基準が違います。前年比の減少幅、家族構成、預貯金額まで確認する自治体もあり、面談で決まる場合が多い。所得が急に下がった月の帳簿と、前年の確定申告書を持って窓口に相談する流れになります。減免が通ると、その年度の残り期分から適用される自治体が多く、既に払った期分は還付になる場合もあります。

一括で払えないときの分納相談と口座振替

年額が10期や8期に分割された納付書が同封されているのが一般的です。第1期の納期限は7月末、自治体によっては6月末や8月末が設定されています。1期あたり数万円になる世帯もあり、一括が厳しい場合は納期限前に国保課へ「分納相談」に行くと、月2万円などの分割払いを認めてもらえます。放置して差押えに進む前に、電話1本入れておくのが安全です。

口座振替に切り替えるとうっかりの延滞を防げるほか、自治体によっては口座振替割引が数百円つくこともあります。ペイジーやスマホ決済—PayPay請求書払い、au PAY請求書払い、LINE Pay請求書払いなど—に対応する自治体も増えており、コンビニに出向かず期限内に済ませられます。

延滞すると年10%前後の延滞金が加算されるほか、短期被保険者証への切り替え、資格証明書発行へと段階的に進むケースがあります。資格証明書に切り替わると医療機関で一度全額を負担して後日償還請求する扱いになるため、通院時の負担感がまったく違ってきます。1期の遅れは大きな問題になりませんが、複数期の未納が続くと通院時の手続きが増えるので、支払いが厳しいと感じた段階で早めに窓口へ行くほうが結果的に楽です。

参考資料

国民健康保険料の通知書、去年より1〜2万円高いのはなぜ?7月に届いた紙で確認する順番 — お金 関連イラスト (どうする?)
Photo by Lukas Blazek on Unsplash

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参考資料

  1. 厚生労働省 国民健康保険
  2. 国民健康保険中央会
  3. 総務省 地方税制度

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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